2023.10.25
画期的な違憲判断憲法13条違反
性同一性障害の当事者が性別を変更するためには、
生殖能力をなくす手術を受けなくてはならない問題について、
最高裁判所大法廷の戸倉三郎裁判長は「憲法に反するとの」判断をしました。
15人の裁判官一致の判断です。法律を憲法違反と判断するのは戦後12例目です。
外観要件については高裁に差し戻し
一方、変更後の性別の性器に似た外観を備えている必要がある「外観要件」については、
高等裁判所で審理をやり直すように命じました。
これにより、訴えを起こした戸籍上男性の当事者は戸籍の性別を変更できないままです。
社民党党首がいち早く反応
これを受け、社民党の福島みずほ党首は午後4時からの定例記者会見で、
冒頭、この問題に触れました。
福島党首は「生殖能力を失わなければ、戸籍上の性別の変更ができないとした特例法が、
憲法13条の個人の尊重、個人の尊厳に反すると言ったことが極めて大きい。
大きな一歩前進だ」と述べ、最高裁の判断を歓迎しました。
また、外観要件について最高裁が高裁に差し戻したことについて、
「生殖能力を奪うことと外観要件はセットだ。男性から女性になる場合は
精巣を取らないと外観が変わらない。外観を変えようとすると憲法違反の
生殖能力を奪うことにもなる」と述べ、外観要件について
「差し戻された高裁で外観要件を要求することも憲法違反だ、
との判決以外は考えられないのではないか」との見解を表明しました。
社民党は国会の中でもいち早くLGBTの人権問題に取り組んでいる政党です。
福島党首は鳩山政権で男女共同参画大臣として入閣し、「第三次男女共同参画計画」
に性同一性障害や同性愛に関する記述を初めて掲載するために尽力しました。
（編集部）
