女性に性別変更後に生まれた娘との親子関係を求めた裁判 最高裁が弁論へ

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性同一性障害で男性から性別変更した40代の女性が、自身の凍結精子を使って30代の女性パートナーとの間にもうけた子との親子関係を求めた裁判の上告審で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は4月17日、2審を見直す際に必要な弁論を5月31日に開くことを決めました。

自治体で父親認知が認められず

40代の女性は性同一性障害と診断され、2018年に戸籍上の性別を男性から女性に変更しました。性別変更前に凍結保存していた自身の精子を使って、パートナーの30代女性との間に長女、変更後の20年に二女が生まれました。
40代女性と子2人は法的な親子関係がなかったために、自治体に、父親としての認知届を出しましたが、戸籍上は女性のため認められませんでした。

高裁で性別変更後の2女は認められず上告

このため、21年に子2人が原告となり、40代女性に認知を求める形で、法的な親子関係にあると確認するための訴訟を起こしましたが、1審の東京家裁判決(22年2月)は、「法律上女性とみなされる人を父だとすることは現行法と整合しない」としていずれの認知も認めませんでした。
これに対し2審の東京高裁判決(22年8月)は、長女の出生時に、40代女性の戸籍はまだ男性だったことから、40代女性は父として長女を認知することが可能と判断しました。
一方、二女の出生時には、40代女性は女性に性別変更していたため、40代女性を父とすることは認められないとし、子2人の法的判断が分かれたため、親子関係が認められないとされた二女が最高裁に上告していました。

弁論で2審の判決見直しの可能性

最高裁が弁論を開くことを決めたことで、二女の親子関係を認めなかった2審の判決が見直される可能性が出てきました。
代理人の仲岡しゅん弁護士は、「親の性別にかかわらず子どもの権利が認められるような判決を望みます」とコメントしています。

最高裁は13年に性同一性障害の男性を父と認定

最高裁は2013年に性同一性障害の男性を正式に父と認定した判決(12月11日)を示しています。性同一性障害で戸籍上の性別を女性から男性に変更した夫が、第3者から提供を受けて妻が出産した子を、法律上の夫婦の子と認める画期的な判決を出しています。1審、2審の判決を覆し、最高裁は、一般の夫と同じように「妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定する」という民法が適用されるという初めての判断を下しています。

参考
NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240417/k10014424831000.html
朝日新聞 https://digital.asahi.com/articles/ASS4K2R45S4KUTIL01MM.html
毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20240417/k00/00m/040/257000c
日テレ https://news.ntv.co.jp/category/society/d9f21758f5ad47dfa45652ed976460af

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