国会)衆議院 法務委員会で同性婚と特例法の改正が議論に

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 8日、衆議院の法務委員会で大臣所信に対する質疑が行われました。性同一性障害特例法に関する最高裁判所の違憲決定や同性婚についての質疑が行われました。

 与党公明党からは性同一性障害特例法に関し、最高裁の違憲決定のない外観要件についても見直すべき、との意見が出ました。野党からは「同性婚を認めるべき」「外観要件も撤廃すべき」といった質問がされました。

 今国会から答弁に立つ小泉龍司法務大臣は特例法について「立法府の動向を注視し、適切に対応したい」と述べるにとどめました。同性婚については「オープンな議論が積み重なる中で、日本国民としての道筋を見出していけばいい」と答弁、議論の積み重ねを求めました。

 小泉龍司法務大臣は途中、省庁の用意した原稿を見ずに答弁するなど、今後の活発な議論が期待できそうです。明日9日(木)は参議院法務委員会での質疑が行われます。

 以下、質疑の要約をダイジェストでお届けします。

<<2023年11月8日(水)衆議院法務委員会>>

「外観要件も見直すべき」公明:日下委員

日下正喜委員

日下正喜委員

○日下正喜委員(公明)
特例法について、最高裁で生殖不能要件について違憲の決定が出た。生殖不能要件撤廃の流れは先進諸国の潮流。公明党は、生殖不能要件は人権侵害の観点から特例法の見直しを求めてきており、高く評価する。法改正へ向けた大臣の決意を。
●小泉龍司法務大臣
厳粛に受け止める必要があると思う。今後に向けた取り組みだが、法務省としては立法府の動向を注視し、関係省庁との連携を深めていきたい。そうした取り組みの中で適切に対応していきたい。

○日下正喜委員(公明)
外観要件は高裁に差し戻しとなった。外観要件についても法改正に含めていくべきなのか、見解を。
●竹内民事局長
今後は、立法府の動向を注視しつつ、関係省庁間で連携して、適切に対応していきたい。

○日下正喜委員(公明)
立法府としても進めていくべき。性自認は心の問題。性器、外観までを変えなくてはならないという縛り、これは見直すべき。法改正までに、性同一性障害の方で、(生殖不能要件以外の)他の要件を満たしている人が申請を行った場合、法務局、市区町村、家庭裁判所に受理するように通知を行ったということだ。これを当事者に広く届くよう周知すべき。
●竹内民事局長
必要な情報発信について検討する。

「法務委員会 同性婚議論の場に」立憲:吉田委員

吉田はるみ委員

○吉田はるみ委員(立憲)
同性婚に関する大臣のお考え、姿勢に関してお伺いする。
憲法審査会で2023年3月2日の憲法審査会で、「憲法24条によって禁止されている」という人がいるけれど、同性婚は日本で禁止されているのか?と聞いたら、自民党の新藤議員は「法務委員会で議論してくれ」と。公明党の北側委員は「同性婚を排除しているという憲法規定ではない」と。法務委員会が議論の場になると思うが、大臣いかがか。
●小泉龍司法務大臣
国民の中に次第に関心が高まり、それゆえに色々な議論が出てきている。オープンな議論が積み重なる中で、日本国民としての道筋を見出していけばいい。国民の間に様々意見があって、それがどうこう これから交錯し、お互いが影響を与え合い、それが積み重なっていく。それが国民の大きな方向性としてどう出てくるか。それを見守っていく。国会の場でも議論して頂くことが必要。 法務省としては情報提供を行う。

○吉田はるみ委員(立憲)
同性婚は7割が世論で賛成している。パートナー制度も自治体で人口の6割が採用している。時代の大きな流れがある、変化がある。岸田総理は「時代の変化を掴み取る」と言った。こういうことを議論すべき。法務大臣のやる気を見せて欲しい。
●小泉龍司法務大臣
経済政策の選択の議論とは次元を異にする。家族関係の想いは、深い思いが交錯する中で議論する。オープンに、繰り返し、深く議論することが大切。

○吉田はるみ委員(立憲)
法務委員会で様々な議論をすべき。その姿を国民は望んでいる。これが国会議員の責務だ。大臣は2021年のNHKのアンケートでは同性婚を可能とする法改正について「回答なし」、毎日新聞のアンケートでは「同性婚は認めるべき」と答えている。はっきりと大臣の姿勢を教えてください。
●小泉龍司法務大臣
大臣としての考えはお話しした通り。(2つのアンケートの回答の)ベクトルが違っているわけではない。

○吉田はるみ委員(立憲)
真剣な議論を行い、結論を出す、コンセンサスを出す法務委員会にしたいと思う。

「法改正急ぐべき 生殖不能要件削除は閣法でも」維新:池下委員

池下卓委員

○池下卓委員(維新)
生殖不能要件を違憲と判断した。今後、影響が大きいのではないか。令和4年までの家裁に対しての性別変更の申し立ては1万2217件あり、却下は53件で0.4%だ。例えば、女性から男性の戸籍の性別を変更して、変更したものの、社会の中で違うな、元の性別に戻したいな、というケース、性別の再変更を希望した場合、家庭裁判所の審判の取り扱いはどうなるのか。
●小泉龍司法務大臣
そう言った問題も出てくる可能性は少なからずある。最初の性別変更の条件の一つに心理的な性別と、生物学的な性別が持続的に一致するという確信を持つこと、という要件がある。体の状態と心の状態が一致する、ということで最初の性別変更が起こり、それが元に戻るということになると、持続できるのか、また、さらに元に戻る可能性も出てくる。

○池下卓委員(維新)
 生殖不能要件が違憲となり、外観要件も違憲となれば、規定の中では2人医師の診断、医師の方もカウンセリングなどしても外観的な判断が無しになる状況の中で、難しくなる。再変更があったらしっかり検討内容をしていただければ。

 生殖不能要件が違憲となった。法律上は残っているので違憲状態が続く。この間に性別の変更をしたいという方がいるだろう。
政治の不作為によって身体の侵襲がなされた、と言われないように。医師会、医療機関通じて、性別変更を希望する方に寄り添う周知をすべき。
●厚労省審議官
幅広い関係者の周知など、厚労省として検討していきたい。

○池下卓委員(維新)
体への侵襲がないようにしていただきたい。最高愛判決を受け、刑法の堕胎罪や労基法の産休についての関連法案の改正が必要。関連法の検討状況についてはどうか。特例法は議員立法だが、改正を急ぐべき。閣法での改正もできるのではないか。
●小泉龍司法務大臣
立法府の動向を注視しつつ、関係省庁と連携して、適切に判断する。関連法については、検討状況については申し上げられる段階にない。
○池下卓委員(維新)
閣法(かくほう:内閣が提出する法律案)で生殖不能要件を削除し、その後、議員立法で議論しながら、全体としての要件を見直す、という2段構えもありではないか。

*質問と答弁は編集部で読みやすく編集しています。
*画像は衆議院のインターネット中継から抜粋

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