初の機動隊員にまでなった女性が23年間の警察官を辞めるタイミングでカミングアウトし、オーダースーツ店を開業

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写真上 岸本哉子(かなこ)さん(FBより)

昨年6月に23年間働いた沖縄県警警察官を辞め、オーダースーツの出張採寸専門店「MYRO」(マイロ)を開業した岸本哉子(かなこ)さん(43歳)は、退職したタイミングで、自身が恋愛対象の性別を問わない「パンセクシュアル」であることをカミングアウトしました。
21歳の時に憧れていた警察官に採用され、女性として初めて機動隊員に起用されるなど順風満帆なキャリアを積み上げてきた岸本さんですが、学生時代に男性、女性両方が恋愛対象であることに気づき、「警察官になった時も大事な彼女がいたのに、普通じゃないんだ、みんなと自分は違うんだと思って、一方的に別れを告げて、相当傷つけて」と辛い思いをしてきました。

嘘をつき続けることで心が壊れていった

24歳の時に男性と結婚し、二人の子どもを授かりますが、30代前半で離婚。数年後、現在のパートナー・利奈さんと出会いますが、再びつらい思いをしたといいます。
「悪いことをしているはずじゃないのに、悪いことをしているような感じ。周りの人もそこに当事者はいないという前提でそういう会話をする。『気持ち悪い』だったり、ひどいことで言えば、『死ねばいいのに』とか」。
嘘をつき続けることで心が壊れていった岸本さん。仕事のパフォーマンスが下がり、飲酒量も増え、時には自傷行為に及ぶこともあったといいます。

同じような思いをする人をなくしたい

昨年6月に退職し、「同じような思いをする人をなくしたいなっていう思いがつよくなって」そのタイミングでLGBTQ+当事者をカミングアウトした岸本さん。周囲が反対する中、岸本さんの背中を優しく押してくれた幼馴染の存在もありました。
岸本さんの長女で高校2年生の祭さんは5歳のころから、母のパートナーである利奈さんと一緒に暮らしています。利奈さんのことを「お姉ちゃんみたいな感じ。『本当はお付き合いしているんだよ』と、最初は驚いただけで、あとは別に『へ~』みたいな感じで」という祭さん。

同性婚が認められたら、パートナーと結婚したい

同性同士の結婚を認めないのは、憲法違反という札幌高裁の判決が出ています。後は、国が法制化しなければいけない段階まで来ています。「もし、日本で同性婚が認められたら、今のパートナーと結婚したいなっていうのが一番です」という岸本さん。今後は、性別にとらわれずに誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指し、LGBTQ+関連発言や社会活動や同性婚に向けての活動も視野にいれています。岸本さんのオーダースーツは、ジェンダーレス以外の商品も扱っているということです。

オーダースーツの出張採寸専門店「MYRO」(マイロ)
https://www.instagram.com/order.suit_myro_okinawa/

参考
沖縄タイムズ https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1287403
琉球放送 https://www.youtube.com/watch?v=jMWTmt0sYZc&t=198s

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