同性パートナー犯罪被害者遺族給付 最高裁判決周知を都道府県警に通知

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写真上 質問する井上哲士議員(参議院ビデオより)

松村祥史国家公安委員長は9日の参議院内閣委員会で、犯罪被害者等給付金の支給対象の遺族に同性パートナーが含まれるとした3月26日の最高裁判決内容を警察庁が給付金の裁定事務を担う各都道府県警察に対して周知するとともに、死亡した犯罪被害者と同性であったことを理由に不支給裁定としないよう文書を発出したことを明らかにしました。

適正運用行われるよう警察を指導

松村国家公安委員長は、引き続き、犯罪被害者給付制度に関して事案に即して適正な運用が行われるよう、警察を指導していく考えを述べました。
共産党の井上哲士議員の質問に答えました。

同性パートナーシップ制度導入・人口カバー率85%背景に

井上議員は、2020年の1審と22年の2審判決が、同性パートナーを遺族と認めない理由を社会通念、社会的意識が醸成されていないことを挙げていたとしつつ、今回の最高裁判決がこの理由には触れずに同性パートナーを含めるとしたのは、社会通念や社会的意識の前向きな変化があったことを挙げました。その上で、市民団体の調査では2015年に東京渋谷区から始まった同性カップルを公的に承認するパートナーシップ制度が全国の自治体で導入され1日現在、総人口の85%にまで達しているとして、警察官の職務に協力援助した者の災害給付制度などについても同性パートナーを含むべきではないかと質しました。

類似法令230への波及の動き可能性も

松村委員長は、最高裁判決が「犯罪被害者給付制度の趣旨、目的を前提に示されたもので、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律に、直ちに最高裁判決の解釈が当てはまるものではない」と答弁し、類似の制度への変更を行わないことを明らかにしましたが、今回の最高裁判決の弁護団によると、犯罪被害者給付制度と同じ文言で事実婚パートナーを対象とする法令が厚生年金保険法や育児・介護保険法など230あり、今後、類似法令の変更を求める動きが出てくる可能性があります。

参考
最高裁判決記事 https://www.lgbt.jp/all/2743/

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