埼玉県の大野知事、同性カップルの権利保障制度の早急な議論と対応を国に要望

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写真上 埼玉県庁

埼玉県の大野元裕知事は9日、内閣府を訪れ、工藤彰副大臣に対して性的少数者の権利や身分に関する制度について、早急な議論と対応を求める要望書を渡しました。
要望書では、国が同性婚を認めないのは違憲とした3月の札幌高裁判決に触れ、同性パートナーが異性婚と比べて不利益を被らないよう、権利や身分に関する制度について、早急に真摯な議論と対応を求めています。
さらに、性的少数者の偏見や差別をなくすために、性の多様性に関する理解増進を図るよう求めています。

県内では1市を除くすべての自治体がパートナーシップ制度導入し連携

埼玉県では、同性カップルを結婚に相当する関係として自治体が公的に認めるパートナーシップ制度が川口市を除いた62市町村で導入されており、今年4月には62市町村が同制度の自治体間連携協定を結んで、ほぼ県内全域で手続きが簡略化され、当事者の負担が軽減されます。県内で唯一、制度導入をしていない川口市も「前向きに検討」しており、県内全自治体導入も時間の問題です。

戸籍と同様、国の制度として基礎自治体に委託すべき

埼玉県としては、これまで同制度を導入しておらず、大野知事は3月の会見で「戸籍と同様、国の制度として基礎自治体に委託するべきだ」とする一方、今年1月には「性の多様性施策に係る市町村連携会議」を発足させ、制度運用の課題を共有し、市町村の連携を支援して、4月の連携協定締結に繋がっています。
県では、様々な制度や手続きのうち、婚姻関係にない事実婚のカップルが利用できるものについては同性カップルも使えるようにできないか見直しがされてきています。

事実婚カップルと同じように同性カップルにも制度利用へ

事実婚カップルを対象にした県の制度や手続きは436件あり、ほとんどは県職員などが対象の392件で、一般の県民に関わるものは44件です。そのうち県立病院の治療に家族として同意できる権利や県営住宅の入居資格など33件について同性カップルにも適用しており、今後さらに、軽費老人ホームの利用料の夫婦減額制度などを見直す方向で検討中です。そのほか、災害弔慰金の支給、早期不妊検査費助成事業などは、国の方針が絡み「県独自では見直せない」としています。

事実上の“同性婚”法制導入に向け早急に真摯な議論、国に求められる

県内のほとんどの自治体がパートナーシップ制度を導入し、事実婚カップルと同じように同性パートナーのカップルも制度を利用できるよう施策を進めている埼玉県の知事が、同性婚を認めないのは違憲とした札幌地裁判決に触れながら、国に対して事実上の“同性婚”制度導入について早急に真摯な議論と対応を求めたことに対して、岸田政権の今後の対応が注目されます。

参考

テレビ埼玉
https://news.yahoo.co.jp/articles/2001da2011fdc5b2bc058b762381bd4661f1dbd0
東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/246539
朝日新聞 https://www.asahi.com/articles/ASS4D4DWSS4DUTNB001M.html

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