同性愛者を公表のアイルランド首相が辞任を表明

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写真上 2022年再び首相に就任。閣僚たちと。前列右がバラッカー首相、左がマーティン
副首相 (アイルランド大使館FBより)

カトリック教徒が多数を占め、保守的とされるアイルランドで、国民投票を経て人口妊娠中絶を合法化する憲法改正を行なうなどして注目されてきたレオ・バラッカー首相が20日、首都ダブリンで記者会見し辞任を明らかにしました。
与党統一アイルランド党(フィナ・ゲール)の党首を即日辞任し、次期党首が党首選で4月5日に決定後、議会が4月9日以降に新党首を次期首相に選出するかどうか投票で新首相が決まった時点で首相を辞任することになります。

保健相時代に同性愛者を公表、38歳最年少で首相に

バラッカー首相は、保健相時代の2015年1月に同性愛者を公表、4か月後の同性婚の是非を問う国民投票では、アイルランドが世界で初めて同性婚を認める国となりました。(国民投票によらず、同性婚の制度導入は2001年のオランダが初)。

2017年には38歳でアイルランド史上最年少で首相となり、3年間務めた後、22年に再び首相に就任しました。18年には、人工妊娠中絶を合法化する憲法改正を国民投票を経て行ったことで注目されてきました。

最大野党に支持率で負ける与党2党とも次期総選挙までの立て直しが課題

現在は、共和党(フィアナ・フォイル)及び緑の党と連立政権を率いており、2020年の前回総選挙では、統一アイルランド党は第1党から第3党に転落、その後第1党となった共和党との連立協定の一環として、バラッカーさんと共和党のミホル・マーティン党首がそれぞれ2年間、首相の座に就くことで合意、20年にはマーティンさんが首相、バラッカーさんは副首相を務めました。22年、2人は役職を交代しました。
与党統一アイルランド党と共和党はいずれも、最大野党シン・フェイン党に支持率で大きく水をあけられており、1年以内とされる総選挙までの立て直しが課題と言われています。

子どもの権利、LGBTなどこの国をより平等で近代的な場所にできた

この日、ダブリンの政府庁舎の階段で演説したバラッカー首相は「失業から完全雇用へ、財政赤字から財政黒字へ、緊縮財政から繁栄へ」アイルランドを導いたと述べました。また、「子どもの権利、性的マイノリティー(LGBT)コミュニティ、女性の平等と体の自己決定権に関して、この国をより平等で近代的な場所にできたことを誇りに思う」と語りました。
自身の功績として、保育へのアクセスを改善したことや、芸術・文化、国際開発、公共インフラへの政府支出を増やしたことを挙げました。

参考

BBC https://www.bbc.com/japanese/articles/cg3rx3gjvwxo
ロイター
https://jp.reuters.com/world/europe/ETFJV5I4OZOABKQIPO2GONWNCQ-2024-03-20/
TBS https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1065533

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