25回目のさっぽろレインボープライド2025が開催。約900人が札幌の街を行進

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 さっぽろレインボープライド2025が9月13日(土)、14日(日)に開催されました。今年のテーマはOpen Mind.Open World。1日目には48のブースが、2日目には43のブースが札幌三越と札幌パルコの間の歩行者天国に並び、イベントを盛り上げました。

 14日(日)に行われたパレードは、大通り公園を取り巻く形で約2時間かけて行進。6つのフロートに分かれ889人(主催者発表)が歩きました。パレードでは、「北海道をLGBTフレンドリーな地域に!」といったプラカードや、昨今のトランスジェンダーバッシングに対して「誰も私たちを消すことはできない」といったプラカード、また同性婚を求めるグループからは、同性婚を求める野党議員に対して、自民党政府お決まりのセリフである「注視してまいります」に対して「#注視はもう十分」といったメッセージなど掲げ行進しました。沿道からも多くの応援があり、秋を思わせる爽やかな風が吹くなか、札幌の街をLGBTフレンドリーに染めました。

25年目の節目の年に

 札幌でのパレードは全国でも歴史が古く、鈴木賢北海道大学名誉教授(現明治大学教授)を中心とした実行委員会が、1996年にパレードを始めから25年目の節目の年となります。鈴木さんは公式パンプレットに第1回のパレードの様子を「さぞかしプレッシャーが大きかったのか、ゴールとなり、肩を抱き合っておいおいと涙に暮れたのでした。僕らがかかげたたいまつの火種は全国各地と広がりました」と回顧しました。

同性カップル向けのプランも

 パレードには国内の自治体や企業も多数参加しました。ANAとJALはブースを設け、子ども達が制服を試着できるコーナーやメッセージをボードに貼る企画などを行いました。また、JTBは全てのカップルを祝福するフォトプラン、と題して「ALL LOVE WEDDING PHOTO PLAN IN ハワイ」の企画をPRしていました。パンフレットの表紙には幸せそうにする男女のカップルに加え、女性同士、男性同士のカップルの写真も添えられ。ハワイの有名チャペルや式場でのフォトウェディングのプラン、観光プランも掲載されています。これなら、安心してふたりの記念日を作ることができるのではないでしょうか。

札幌の街、多様な人たちが安心できる場所へ変化

 今回、札幌の街は、パレード以外でもフレンドリーな雰囲気が溢れていました。まず、街路灯にはレインボーの旗がはためき、地下道ではデジタルサイネージで「LGBTってなんだろう?」と啓発をしたり、札幌市LGBTフレンドリー企業の一覧が掲示されていました。こうした取り組みは札幌雪まつりでの大通公園への広告などでも見られ、札幌市が一丸となって通年でLGBT支援に取り組んでいることがわかります。これも25年の長きにわたって活動をしてきた地域のLGBTコミュニティーの姿を感じます。まさに、札幌はLGBT支援先進都市として、多様な人たちが安心して暮らせる場所へと進化したと言えるのではないでしょうか。

地下街ではデジタルサイネージで定期的にLGBTについての啓発を流す

「法律が今の世の中に追い付いていない」と同性婚を願うレインボーわたあめ屋さん。道内のお祭りにレインボーわたあめを売りに行くという

パレードなくても誰もが自分らしく生きられる街に

 パレード終了後、ドラァグ・クイーンのショーで盛り上がったステージでは、最後に実行委員長の柳谷由美さんの挨拶で締めくくりです。「この日を皆さんと迎えることに安心しました。LGBTQの人たちがこんなに沢山いるんだ、と可視化するイベントにお集まりいただいて嬉しです。もっとパレードが来年も再来年も続いてほしいし、もっと先の未来には、こうしたイベントがなくても、LGBTQの人たちが、誰もが自分らしく生きられる、そんな街になるといいなと思います。ぜひ、来年も再来年も一緒に楽しんでほしい」と話すと大きな拍手に包まれました。その後、シャボン玉のリリースでイベントはフィナーレを迎えました。

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