写真上 LGBT法連合会HPより
20日投開票の参院選を前に、性的少数者らの全国組織「LGBT法連合会」は、性的指向や性自認(SOGI)を巡る課題について、主要政党を対象に実施した調査結果を公表しました。米トランプ政権が反LGBTの姿勢を鮮明にする中、日本国内への余波が懸念されています。
自民以外はマニフェストに記載あり
調査結果は9日までに回答した自民党、立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党、れいわ新選組、社民党の8党が対象。「党のマニフェスト・公約にSOGIに関する人権を保障する施策について記載はあるか」との問いでは、自民以外は「ある」と回答。自民は「昨年の衆院選の公約に記載し、継続扱い」と回答しました。 米政権での多様性施策の後退を受け、林芳正官房長官は3月の参院予算委員会で、「多様性が尊重される包摂的な社会の実現は重要」との政府見解を表明しました。これに対し、社民以外の7党が「同意」。社民は「一定の評価はするが、差別を禁止する罰則付きの法整備を即刻進める責任が政府にはある」としました。
優先すべき政策で自民は調査啓発まで、野党はSOGIハラや差別禁止まで
優先すべき政策を問う項目では、自民はLGBT理解増進法(2023年施行)に盛り込まれた実態調査や啓発活動などを掲げた一方、野党5党は法に盛り込まれなかったSOGIハラスメントや差別の禁止まで踏み込んだ選択肢を挙げました。また立憲、公明、共産は同性婚の法整備を挙げました。
連合会の神谷悠一代表理事は「(優先施策を)理解増進法の推進にとどめるのか、差別の禁止や同性婚法整備も前向きに進めるのか、回答に差が出ている」と話しました。調査結果は連合会のホームページで公開しています。
参政党、保守党は反対
9日までに回答がなかった参政党については、党の政策で、国の歴史や文化に「誇りを持てる教育」のほか、「伝統的家族観」を守るとして選択的夫婦別姓には反対し、同性婚についても「社会の混乱を招く恐れがある」として反対の姿勢です。 参政党の憲法案では、天皇は「元首として国を代表」とし、国民ではなく、「国」が「主権を有する」と明記し、また「国民の要件」として「日本を大切にする心を有することを基準として法律を定める」ことを盛り込んでいます。これに対しては「戦前の日本に戻すようだ」などの批判が相次いでいます。
また、日本保守党は百田代表が23年10月、「自民執行部がLGBT理解増進法を国民のコンセンサス(合意)が取れていない形で強引に出したため」と結党の理由にするほど反対の姿勢を示しています。